『タイムトラベラーズ』のシステムとシナリオの融合が神がかっていたから熱く語る

ゲームレビュー

タイムトラベラーズ』(PS Vita版)買ってクリアしました!超楽しい!

Amazon.co.jp: タイムトラベラーズ: ゲーム

先日発売した『タイムトラベラーズ』は、あの超傑作『428 ~閉鎖された渋谷で~』(Wii)と同じ監督、ライター、音楽担当が再集結して開発が進められていたアドベンチャーゲームです。

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▲Vita版のグラ超綺麗!理不尽なバッドエンドも『428』同様健在です。

『428』も、そのさらに元ネタになった『街』(SS)も個人的に大好きなゲーム。 しかも、今回のテーマはタイムトラベルもののSF。『STEINS;GATE』(Xbox360)と同じようなシナリオ、科学的考察を加えて進行され、さらに名作アドベンチャー『HEAVY RAIN』(PS3)の表現力やシステムまで乗っかっているという。

以上の理由から個人的神ゲー臭しかしなかったので、発売前からテンション上がりっぱなしでした。

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▲ノベルパートにあわせてQTE(Quick Time Event)のアクションパートが入るシステム。『HEAVY RAIN』の影響を受けまくっている感があります

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▲こちらは本家『HEAVY RAIN』、アドベンチャーの革命的な作品でした。ゲームでこんなに心が揺れ動かされることはなかったと思う。PS3ユーザーは絶対に遊ぶべき作品

実際に遊んでみたところ、確かにおもしろかったはおもしろかったけど、プレイ前の期待が高すぎてちょっと消化不良な終わり方。

シナリオも手垢まみれのオチで、どんでん返しもなく、想像通りの話が展開されたり、ビジュアル面を強化しすぎて、ゲーム全体が小ぶりに。

描写しきれなかった設定やご都合展開も多く、個人的には満足しきれなかった出来でした。非常に惜しい。

シナリオについての考察は@tunacookさんに譲って、本日は、このゲームがタイムトラベルものになったタイムチャートシステムから来る必然性について熱く語ろうと思います。

従来のシステムと世界観の融合が反則的に上手い!脱帽しました。

ネタバレはないつもりなので、未プレイの方も安心!

タイムチャートシステムとは

『街』や『428』に存在しているタイムチャートシステム。これは複数のキャラを同じ時間に順番に操作することで、ある選択肢を選んで取った行動が自分だけではなく、他人にも波及するシステムです。

ある選択して、選択をした本人は問題なく進めても、実は裏では他のキャラが進行不可能になってしまう可能性が!

複数の主人公を同時に操り、因果関係を考えながら読み進めていくシステムが本当におもしろい。

詳しくは『428』遊んでください。

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▲これがタイムチャート。見れば見るほど『428』です

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▲選択肢の一例。ネタ選択肢も盛りだくさん。

「タイムトラベル」設定とタイムチャートの奇跡の融合

『428』ではゲームシステムにすぎなかったタイムチャート、今作で上手く世界観に組み込まれています。

このシステムは、劇中では「エヴェレットの多世界解釈」と説明されています。『STEINS;GATE』に出てきたアレですね。

すなわち、ゲーム中、登場人物たちは同じ時空を何度も繰り返しており、「バッドエンドは別の世界線」とすることで、システムに対して説明をつけたわけです。

Kawazで開発中の『ぎゃるちぇん』も『428』と同じシステムを載せるとき、ゲーム内で複数の時間軸を繰り返しプレイすることを上手く説明するにはどうしよう、と話題になり、「全知全能の神が主人公の時を巻き戻す能力」という設定に落とし込みました。

すなわち、この現象を説明するのにタイムトラベルへ行き着くのは当然の帰結だったのです。

『タイムトラベラーズ』はこのタイムチャートのシステムを、メタ的にゲームのシナリオに組み込んだのは非常に秀逸だったと思います。しかし、このシステムの真骨頂はこれだけではありません。

未来の行動で過去が変わる展開が熱すぎる

『街』や『428』では時間の流れが一方向。すなわち、未来の出来事を変えるには、過去の行動を操作するしか方法がなかったわけ。これは当然のお話。

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▲図解してみた。Aさんの展開を変更するには、他の人物が、それ以前に何らかの行動を変更する必要がある

ここで、ヒロインの「みこと」というキャラクタが存在するのですが、その存在がこの設定をさらにおもしろいことにしています。

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▲ヒロインのみことちゃん。ぺろぺろ

ゲーム開始時、初っぱなから同じ時間軸に6人のみことが同時に存在します。これは序盤からいきなり描かれるので、おそらく、「タイムトラベルによってみことは何周もこの世界を行き来している」と容易に想像が付きますね。『ドラえもん』とか『BTTF』によくあるアレです。

同じ人物が同じ世界を何周もしているということは、「周回している順番」が存在するわけで、時間軸的には未来の出来事であっても、彼女の主観からすると過去の出来事であることがありえるわけです。

この設定とタイムチャートのシステムを組み合わせて、未来の行動が過去に影響するギミックが存在します。

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▲地点③は時系列的には①より過去であっても、みことの主観的には①より未来になり、あたかも未来の行動が過去を変えているように見える。超\すげぇ/!

これに気づいたときは感激しましたね。熱すぎる。

凄く秀逸なシステムだと思ったけど……

このシステム、いくらでも発展できそうで、5人のみことのうち、どの時系列が正しいか、どの順番にタイムリープを繰り返しているのか、プレイヤーに推察させ、それを元に因果律を解きほぐしていく。わくわくしませんか?

こういう展開を待ち望んだ時期が僕にもありました。実際にはこのギミックを利用しているところはゲーム中1カ所だけ!惜しい。惜しすぎる!

この展開は度肝を抜かれたけど、それ以外のタイムチャートは『428』や『街』に比べてぬるめ。あんまり解きほぐしつつ読んでる感がなかったなぁ。残念。

まとめ

如何でしたでしょうか!個人的に読了感は釈然としないけれど、読み解いている途中は間違いなく楽しめる一本であることは違いありません。

わざわざ図解までして長文書いちゃう辺り、ものすごく良い作品です。

音楽やビジュアルのクォリティ、作り込みも素晴らしい。これを携帯機で実現するなんてその作業量は察するに余りあります。

僕はグラが綺麗でトロフィに対応しているVita版を購入したのですが、3DS/PSP版も出てるので、Vitaを持っていない方もぜひ遊んでみて欲しいです。(あんまり売れてないっぽいので買ってあげてください)

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▲特に『428』を遊んだ方はぜひ。小ネタが多くてニヤりと来ます

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1 つなくっく (@tunacook)

なんとシナリオの考察となw
まだみことを押し倒す選択肢までしか進んでない。。。

>どの時系列が正しいか、どの順番にタイムリープを繰り返しているのか、プレイヤーに推察させ、それを元に因果律を解きほぐしていく
一カ所しかないことへの抗議(?)も含めて、それメインのゲーム作りたいなあ。
今動いてるプロジェクトが落ち着いたらいろいろ考えてみるか。

ただ多用しようとしてもこのシステムのインパクトが強すぎて、「一回解きほぐすとそれでもう話が終わってしまう(全ての因果律を解いたら、続けるためには違う対象が登場する必要がある)」という弱点がありそう。だから本編で一回しかなかったのだろうか。
(まだそこまで読んでないけど……)

でも大規模な話じゃなければ十分にアリだよね。それこそ同人で作れるレベルの規模なら。

その時点までプレイしたら、「因果律を解く」システムについての記事書くかね。

2 ぎぎねっと (@giginet)

今作、ネタバレをするとボリュームはそこまで多くありません。10時間ぐらい?

というわけで、話題の今のうちに一気に駆け抜けてしまった方が良いかも。携帯機だけあって、1章ごとが5分程度に短く構成されていて、通勤・お昼休みでも遊びやすいですよ。

設定とかタイムトラベルの使い方は凄く上手くて、これをもっとゲーム性に転化できなかったのかなぁと。実際はタイムチャートのシステムが『街』や『428』なんかと比べてあんまり上手くできていなくてその良さがスポイルされている。非常に惜しい。

意外なところで世の中が繋がっているって演出が凄くおもしろいシリーズなのに、今作では控えめだった気がします。

いずれにしてもおもしろい作品ではあるので、ご興味を持った方はぜひ!

3 グリモン
3DSの体験版やってみたけど、画質悪いし3D感がほとんどない。
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