アドベンチャーゲームで採るべきだった作り方と反省点【前編】

プロジェクトマネジメント

■アドベンチャーゲーム「ぎゃるちぇん」完成しました

すでに広報ブログや個人ブログ・Twitter等で散々告知させてもらってるのでうんざりな方もいるかもしれませんが、2011年から開発していたアドベンチャーゲーム「ぎゃるちぇん」が完成しました。

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開発メンバーの皆さん、長い間お疲れ様でした。

アドベンチャーゲーム『ぎゃるちぇん』をリリースしました! - Kawaz広報ブログ
http://kawazinfo.hateblo.jp/entry/2013/06/17/220043

ぎゃるちぇん:無料ゲーム by ふりーむ! http://www.freem.ne.jp/win/game/5170

2011年のはじめぐらいから本格的に作り始めて、開発期間は大体2年と4ヶ月ほど。

おかげさまでふりーむで527ダウンロード、Kawazポータルからは123ダウンロードいただいています。Vectorにも現在申請中です。

プレイした方からは好評をいただいており、「浮気するドキドキ感がやばい」など、狙い通りというか欲しかった感想を頂くことができています。

■完成までなぜこんなに時間がかかったのか

プレイしていただいた方はわかると思いますが、クリアまでのプレイ時間は1時間ほど、バッドエンドを全て回収しに行こうとしても、総プレイ時間は2時間ほどです。

そこまで大作というか、超リッチ・超大きな規模というわけでもありません。

開発期間を振り返ると、プロジェクトとして迷走したり、そもそも作り方の体制として非効率的だったりしていた部分がいくつもあります。

今後同じような轍を踏まないために&反面教師にしてもらい、同人アドベンチャーゲーム開発のプロジェクト管理について真面目に考えてもらう機会を作るために、今回ディレクターとして恥を晒すことにはなりますが開発の経緯や反省点等をブログ記事として書くことにしました。

■「ぎゃるちぇん」の発端

そもそも「ぎゃるちぇん」というプロジェクトは、@giginetが2010年10月、Twitterにこんな投稿をしていたことから始まりました。

とっかえひっかえギャルゲ(仮)の発端 - Togetter
http://togetter.com/li/63390

開発当初は「ぎゃるちぇん」でなく、「とっかえひっかえギャルゲ(仮)」という仮題でした。そのまんまですねw

その後プロジェクトを立て(旧ポータルのためリンク切れ)、内容を練り始めました。
@rushanaさん以外は自主的に参加してくれました。(@rushanaさんはミーティングの時に誘った)

Twitterでは10分ほどという話でしたが、やはりちゃんとノベルゲーにしないと感情移入できず各ヒロインに集中できないため、ある程度長さを取ったノベルゲーにするべきという方針を取りました。

当初からドキュメントをきっちりと書き、wikiページを整備しておくことを心がけました。議事録や決定事項(何が決まったことで、何がスルーされたことなのか)をはっきりさせておき、「あの時あんな話上がったけど、それは決定になったのかスルーされたのか」を明確にするためです。

しかし、主に以下の点により、開発が思うように行かなかった&停滞してしまっていました。

■停滞していた主な要因

●書き上げていたシナリオを最初から書き直した

シナリオを書く手順が決まり、システムや役割分担等を決めた後、シナリオの執筆に入ったのですが、

  • プロットをメンバー集結・プロジェクト発足時に作り始めたこと。プロットやサンプルシナリオはその前に作っておくべき。でないと同時に作業ができず、グラやサウンドが先に終わってしまう
  • 内容を揉みながらでなく、「全部完結させてからメンバーに見せたほうがわかりやすくていいだろう」という考えから、全て書いてから見せようとしていた

……今見返すとクソみたいな考えですね。。
当時はなんか一生懸命やろうとしてたのでしょうがw

そこで玲於奈ルート・茉莉ルート・イザベルルートの3本を書く必要ができ、うち玲於奈・茉莉シナリオの2本を最後まで書き上げ、イザベルルートに手を付け始めた段階で、「シナリオフルボッコミーティング」なるものを開きました。ここで初めて、メンバーにシナリオへ口を出してもらおうとしたのです。

しかしそこでシナリオを見てもらったところ散々で、とても人に出せるレベルじゃなかったため、シナリオ内容から考え直すことになりました。
(読んでもらうこと前提で飛ばし飛ばしで書き進めていたため、推敲ができていなかったという面もある)

●ゲームシステムの迷走

完成形の「ぎゃるちぇん」では選択肢を選んでいくシステムですが、2011年開発中では、「街」「428」のザッピングシステムのように、任意のタイミングで任意の相手の元へ行くという、自由度がはるかに高いものでした。

その内容が複雑すぎることや、システムの説明のためにつけた設定が苦しいなど「シナリオフルボッコミーティング」で指摘され、結果全て一からやり直すことに。

初期段階でシナリオやシステム内容の共有、作業が進んでいないうちに内容の是非を議論しておくべきでした。

●メインコミッターの本業状況と、作業内容集中

シナリオとスクリプト・プロジェクトマネジメント等を兼業していた@tunacookや、キャラデザだけでなく立ち絵・CG・UI等グラフィック全般を担当した@bellさんは2011〜2012年当時会社勤めだったため、必要作業量が膨大に&思うように作業時間が取れないという事態になっていました。

「一つの役職は一人ずつやってもらったほうがわかりやすい」という目測でしたが、ここは人を増やして分担するなどするべきでした。

●その他停滞要素

予め分担するのでなく、プロジェクト途中でシナリオやスクリプトを他の方に任せようとしたり、任せようとした方が動けなくなったりするなど、役割分担の迷走もありました。

■結果どうしたか

どうにかこうにか頑張って仕様を現実的なものにし、必要な立ち絵は極力変えずにキャラクターの役回りも変え、シナリオを改善しました。

しかし一人あたりの作業負担量は結果的に変わらず更に時間がかかってしまい、今年の6月までずれこんでしまいましたが。

■プロジェクトが長期化することによる弊害

メンバーが忙しかったりすると「空き時間にちょこちょここつこつやればいいや」という考えに陥りがちですが、やはりモチベーションの高いうちにある程度やっておいたほうが良いという風潮があります。

それは正しくて、長期化してしまうと具体的にこのような弊害があります。

●モチベーションの低下

なんといってもこれ。

モチベーションが低下すると作業自体へのやる気が下がるであろうことは予想つくと思いますが、それだけではありません。

モチベーションが高いと思いもよらないアイディアやノリノリで作業できるため、結果クオリティが高くなり作業効率も高いです。
しかしモチベーションが低いとそのようなこともなくなってしまうため、やはりモチベは高いほうがいいです。

本業などでどうしても空き時間が取りづらい場合、ウェイトが高い部分をババっとやってしまったり、締め切りを決めておくなどの対処が必要かと思われます。

●初期段階で作っていた箇所の仕様やシナリオの伏線などを忘れる

どんな実装をしていたのか、回収しようとしていた伏線はなにか、などの仕様を忘れがちになるので、後半の作業・成果物・素材との整合性が取れなくなります。

●グラフィッカーさんの絵柄やライターの文体が変わる

開発が1年以上になってしまうと、各メンバーのスキルも当初より上がっているため、絵柄や文体が変わっている可能性があります。

そのため前半に作ったものと後半に作ったものの両方を使うことが難しくなり、結果的に描き直してもらう必要が出てきます。

■後編へ続く

この前編では長期化した要因と、それにより陥る状況を書きました。

後編では、その他作り方で失敗したことのまとめや、次以降どのようにしていくべきかをまとめます。

↓後編はこちら
Kawaz - アドベンチャーゲームで採るべきだった作り方と反省点【後編】
http://www.kawaz.org/blogs/tunacook/2013/06/26/505/

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